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  4. クローゼットの編集長になる。最高の提案は「自分磨き」—— 販売員というクリエイティブな仕事の教室6日目

クローゼットの編集長になる。最高の提案は「自分磨き」—— 販売員というクリエイティブな仕事の教室6日目

2026 6/01
販売の教室
2026年6月1日
苫米地香織

日々、接客や在庫整理などの店頭業務をしていて「この仕事って本当に意味あるのかな?」とモヤモヤすること、ありませんか?研修やサイト検索すると、販売の仕事を解説する記事はたくさん出てきます。でも、もっと大切なのは、私たちが店頭に立つ「本質」を知ること。
この連載は、日々の仕事にモヤっとしているあなたへ贈る、販売職の「魂」と「誇り」を探るお話しです。単なる“モノを売り”ではなく、“誰かの人生を彩るクリエイター”として、この仕事をもっと面白くしませんか?

提案の説得力はどこから来るのか

前回、ライターのように「インタビュー」することで、お客様の本当の望みは見えてきました。さて、いよいよ商品の提案です!……と、その前に。

あなたは今日、鏡に映る自分の姿に自信を持っていますか?

どんなに素晴らしい知識を持っていても、提案する本人がオシャレを楽しんでいなければ、お客さまの心は動きません。お客さまは商品だけでなく、「この人のようになりたい」「この人が選ぶものなら素敵に違いない」という期待も買っています。

提案力を磨く近道。それは、あなた自身が「自分のクローゼットの編集長」になることなのです。

なぜ、オシャレには「挑戦」が必要なのか

最近、「ファッションは好きだけど、自分が着るものはいつも無難なものばかり」 そんな新人販売員の方が意外と多いと聞きました。しかし、自分自身がファッションで冒険し、失敗し、新しい自分に出会う体験をしていないと、自信を持ってお客さまの背中を押すことはできません。

オシャレのセンスは、生まれ持った才能ではなく、「どれだけ多くの服に袖を通し、鏡の前で悩んだか」という経験の数で決まります。

「自分には似合わない」と決めつけず、まずは自分が働いているブランドや自社ブランドの服を全て着てみる。そこからあなたの「提案の引き出し」作りと始めてみましょう。

センスを育てる「真似る・知る・試す」の3ステップ

プロの販売員も、最初からセンスが抜群だったわけではありません。これまで取材を通して、聞いてきたファッションセンスを磨くコツを紹介します。

1 徹底的に「真似る」 先輩スタッフや憧れのスタッフをよく観察しましょう。
「なぜあの人の着こなしは素敵に見えるのか?」を考え、色の組み合わせや小物使いをそのまま真似してみる。真似は、センスをコピーする最短の学習法です。

2 知識を「仕入れる」 感覚だけに頼らず、トレンドの背景や素材の知識、配色のルールを学びましょう。
知識という裏付けが、提案に「自信」というスパイスを加えます。

3 自分の体で「実験する」
出勤時、毎日一箇所だけでいいので「今まで挑戦したことがない着こなし」を取り入れてみてください。自分が「これ、大丈夫かな?」とドキドキする格好ほど、お客様への共感を生む貴重なネタになります。

もう1つおすすめしたいことは「定番を武器にする」ことです。
白シャツ、黒のタートル、ジーンズ…といった「定番アイテム」は、多くのお客さまのクローゼットにも必ず眠っているアイテムです。こういった定番アイテムと新作の組み合わせを10パターンくらい考えてみてください。

店頭で「これ、お持ちのジーンズにも合いますよ」と口で言うのは簡単ですが、自分自身がジーンズを使って何通りものオシャレを経験していれば、その言葉には実体験という重みが加わります。

提案は「お客様のクローゼットを編集する」こと

自分のセンスに自信が持ててくると、お客さまへの提案が「売るための作業」から「一緒にクローゼットを編集する作業」へと変わります。

「お客さまがいまお召しになっているデニムに、このニットを合わせたら……」
そんな風にワクワクしながら提案できるようになれば、あなたはもう一人前の販売員です。

でも接客中に「お客様のクローゼットの中身」を聞き出すのは勇気がいりますよね。そんな時は、店頭にある商品を見せながら「こういった形のシャツはお持ちですか?」と、視覚的なヒントと一緒に聞いてみてください。
「持っている」という答えが返ってきたら、すかさずそのシャツも一緒に試着してもらうことで、お客様は「自分の家にある服と合わせた時のイメージ」が鮮明になり、納得感が一気に高まります。

提案の技術とは、テクニック以前に、あなたのファッションへの熱量をお裾分けすることなのです。自分自身がファッションを愛し、楽しむこと。それが、巡り巡ってお客様への最高の提案へと繋がります。

ここまでは販売員としての「あり方」や「心構え」についてお話ししてきました。次回からは「店」という作品をつくるための演出と表現についてお伝えします。せっかくのファッションへの熱量も、言葉が足りなければお客様には届きません。「かわいい」のその先にある、素材の物語やデザイナーの想いをどう翻訳し、伝えていくか。
あなたの熱量をお客さまにとって最高の一着として届けるための、「語り部」としての役割について考えていきましょう。

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  • キャリア相談スナック 2nd[第4夜 先輩店長が凄すぎて不安です]

Author

苫米地香織のアバター 苫米地香織 Fashion Commune 主宰

FashionCommune 主宰・販売ジャーナリスト
日本で一番アパレル販売員(2000人以上)を取材してきたジャーナリスト。
自分は挫折してしまった販売職の奥深さに感銘を受け、現在は販売職の地位・価値・質の向上を目指し「Fashion Commune」を運営する。

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