販売員にとって「説得力」とは何だろう?
接客において「説得力」とは、お客さまの背中を押すことだと思う。
私は服を買う時、基本的に商品についてあれこれ聞いて納得しないと買わない。というか、買えない。おそらく、多くの消費者もそんな感じではないかと思う。その納得いく説明というのが、要は「説得力」ということになるだろう。
納得いく説明ができるようになるには、何といっても「説得材料」が必要だ。その材料というのが、知識や情報、そしてセンスに値する。
知識とは、つまり商品知識。その商品がどんな素材でできていて、サイズはどのくらいで、何色展開で、デザイナーはどんな意図でデザインしたのかといった、商品にまつわる基礎的なところから、ものづくりの側面も含む。
情報に関しては、多種多様な情報があると良いだろう。ひとつはお客さまにまつわること。どんな仕事をしていて、趣味は何か、普段はどんな服装をしているのか、クローゼットはどんな感じなのかといった、お客さまとの会話から得られる情報。
もうひとつはファッションに関する情報だ。特にトレンドに関するもの。今どきの着こなし方もそうだし、お客さまに似合う着こなし方なども情報であり、知識でもある。
さらにもうひとつは、ニュースや最新スポット、話題の映画やドラマ、音楽などの芸能ネタ、趣味にまつわることなど情報だ。話題の引き出しにもなるし、着ていく場所を提案するのにも使える。完全に網羅していなくても良いけど、持っていると「あの人の話は面白い」につながる。
最後にセンスだが、小難しく考えて、自分には磨けないと思う人もいるだろう。
ちなみに、英語で「センス(sense)」とは、感覚、知覚、意味、理解などの意味を持つ名詞、または「感じる」「意識する」「察知する」といった行為を表す動詞である。
なので「センスを磨く」という言葉を英語の意味から紐解く、「いろいろな物事に触れて感覚を研ぎ澄ます」という行為になる。「いろいろな物事」というのは、つまり知識や情報、さらには経験することだ。
だから、ファッションセンスを磨きたいのであれば、ファッションにまつわる知識を学ぶのはもちろん、自分自身がさまざまなスタイリングにチャレンジしてみるという経験も必要だということではないかと思った。
皆さん、いろいろなスタイリングにチャレンジしていますか?
私はある時期に洋服をかなり減らし、その減らした中でもさまざまな印象に見えるように……とチャレンジしているが、外出時に写真を撮ると変わり映えないのでもう少しチャレンジが必要なようだ……😅
では、次回はセンスを磨くために必要な知識や教養について書いてみようかと思う。