ファッション・ビューティ業界を中心に、総合的な店舗運営コンサルティングをおこなっている株式会社BRUSHの秋山恵倭子です。
前回から12回にわたって「店長」という仕事の魅力と、仕事との向き合い方について、ラグジュアリーブランドの販売に長年に携わった経験を踏まえてお話ししていきます。
前回、ロジックでものを考えるためには“数字”がとても重要であることをお伝えしました。すなわち、店が成功するためには、店長だけでなく、スタッフも数字が読めることが必要不可欠なのです。では、スタッフたちがロジックでものを考えられるようになるために店長がするべきこととはなんでしょう。
数字を店の共通言語とするために
数字は、店長とスタッフの共通言語であり、店と本部の共通言語でもあります。その数字とは何を指すかというと、予算や売上にまつわる数字です。
そこで必要とされるのが、店舗スタッフの誰もが一目で理解できる予算管理表になります。
どこのブランドにも、本部が作成した予算管理表があると思いますが、その管理表を見て、店長の皆さんはどう感じますか。年間や月間予算、セット率、客単価など、店舗運営をする上で必要な数字が小さく見難かったり、売り場には必要のない数字が入っていたり……。日々の売上推移をスタッフと共有するためのツールとして使い難いと思ったことはありませんか。
私自身、かつては店長として店舗運営をしてきましたので、皆さんと同じように本社から渡される予算管理表のわかりにくさを感じていました。
これまで研修で関わった企業の店長たちに話をうかがうと、緻密すぎる予算管理表を懸命に解読し、朝礼では「今日の目標予算は○○万円です。昨年実績は……」とただ数字の羅列をスタッフへ伝えているにしか過ぎないケースが多いことがわかりました。
これでは店舗で数字を共通言語にするには程遠い状況です。数字を咀嚼できていないのですね。見難いフォーマットが足かせになってしまっているのです。
本部が作る予算管理表は、本部で働いている人たちが見てわかりやすく、本部が必要な数字を管理できるように作られている場合がほとんどです。それを理解した上で、店舗に必要な情報のみをピックアップした予算管理表を作る、スタッフがパッと見て理解できるフォーマットにすることが、まず店長がする仕事なのです。
誰が見ても一目でわかる予算管理表とは
店長時代の私は、店舗スタッフの誰が見てもすぐに理解できる、出勤してきたら予算管理表を見て、今日の自分の目標売上がわかるような予算管理表を作り上げました。
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