ファッション・ビューティ業界を中心に、総合的な店舗運営コンサルティングをおこなっている株式会社BRUSHの秋山恵倭子です。
全12回にわたり「店長」という仕事の魅力と、仕事との向き合い方について、ラグジュアリーブランドの販売に長年に携わった経験を踏まえてお話ししていきます。
前回は、店長だけでなくスタッフも数字が読めることが必要不可欠であり、そのためには誰もが一目で理解できる予算管理表をつくることが必要だとお伝えしました。数字を店の共通言語とすることは、ロジックでものを考え、数字を創ることができるスタッフの育成管理にもつながっていきます。今回はその意味についてです。
自分のお給料を時給換算したことはありますか
皆さんは、自分のお給料を時給換算したことがありますか?
私の研修では必ず全員にお給料を時給換算していただいています。その際に手取り分だけで計算をしてはいけません。会社は、あなたの代わりに税金や社会保険料などを支払ってくれています。その分を加えて計算しなくてはいけません。
仮に年収300万円の正社員を一人雇用した場合、会社はその給料の約1.2倍の雇用コストがかかっているといわれています。そうなると、プラス60万円が加算され、トータルで360万円を時給換算することになります。
1年間の法定労働時間は約2085時間です。年収360万円で時給換算するといくらになりますか。
年収×1.2÷1年間の労働時間=時給
年収300万円もらっている人の時給は約1730円になりました。では、皆さんの場合はいくらになりましたか。
研修でこの計算をしていただくと、皆さん黙ってしまいます。それだけ会社はあなたにお金を払っていることがわかりましたし、そのお給料はお客さまにお買い上げいただいた売上から出ているのです。さらに接客していない時間、トイレに行っている時間にも時給が発生していることを今一度、意識しましょう。
お客さまはいつ店頭にいらっしゃるかわかりませんから、店頭を常に万全な体制に整えておく必要があります。
そして、たくさんあるお店の中でお客さまが自店を選んで来てくださったこと、自店でお買い上げされたことがどれだけありがたいことかをあらためて考えてみましょう。
会社と店のゴールは同じ。そのために店長がすることとは……
お給料を時給換算してみると、会社は1店舗を運営するのに対し、たくさんのお金がかかっていることがわかります。だから、会社は売上を求めてきます。
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330 JPY販売の神様が伝える “勝てるチーム”の店長とは ―第5回 勝つための仕組みを考える―
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