ショップに行けば必ず会える販売員さん。最近はSNS発信で人気の販売員さんも増えて、スタイリングの参考にしていたり、実際にショップへ行ってみたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。
【全国ショップスタッフファイル】では、「オシャレな販売員さんにスタイリングしてもらいたい!」「素敵な接客を受けてみたい!」という方の思いに応え、全国にいるオシャレで接客上手な販売員さんをご紹介していきます!
今回は、2025年1月に開催された第30回SC接客ロールプレイングコンテスト全国大会「ファッション・物販部門」で優勝した「オデット エ オディール」渋谷シンクス店に勤務する寺尾円香さんをご紹介します。
いろいろな経験を積みたくて販売以外の仕事をした20代
―販売員として働くことになったきっかけ、この業界で働こうと思った理由は?
興味のある仕事をしてみようと思い、最初は地元の専門店で販売員になりました。2年くらいでしたが、アルバイトの私でもお客さまが頼ってくれたり、店長がグラフ化してくれた成績で抜きんでた成果を出せたりしたことがあり、その頃から「この仕事は天職だ」と感じていました。
―その後、いろいろな仕事をされていましたが
経験値をあげたくて、20代のうちにいろいろな仕事をしておこうと、エステサロンの受付や不動産営業などの仕事をしてきました。最後は接客業に就くことを決めていたので、できるだけ関連がなく、目についた楽しそうな仕事を順番に経験しようと。
エステサロンでは受付以外にクレーム対応もしていたので、物事を冷静に受け止める術を身につけ、不動産営業では交渉術が身に付きました。これらの経験は“点”を作っていた感じです。いまはその点が繋がり、“線”となっています。
―接客のモットー、心がけていることは
入社当時からユナイテッドアローズの社是に共感していて、常に商売マインドとCSマインドについて深く考えています。商売=数字に重きを置くとCS=接客がおろそかになり、接客を突き詰めると数字がおろそかになる。このバランスを保つことが大切だと考えています。表情は親しみやすく、でも頭の中は冷静に。
例えば、セット率や客単価をあげるために2色提案することが商売マインドだとしても、その提案した理由にお客さまにとって必ず役に立つ提案であれば良いと考えるようにしています。
おしゃれはきっかけ。若手スタッフとのコミュニケーションツールにも

―今日のスタイリングのポイント、日々のスタイリングで心がけていること
2023年秋冬に「オデット エ オディール」がリブランディングし、ターゲットとしている本物志向で本質を大人の女性を自分でも体現することに重きを置いてます。さらに、シューズが魅力的に見えるディテールであるかも気を配っています。
―ヘアメイクのポイントは?
髪色は頻繁に変えるのですが、髪型はまとめることが多いです。まとめることで仕事のスイッチを入れている感じです。
メイクはあまりこだわりがないのですが、ブランドイメージやシーズンテーマとリンクさせるように心がけています。今シーズンはきらめき、つやめき、ハンサムさの中にある艶やかさがテーマなので、ラメを乗せてみたりしています。
―おしゃれになるためには何をすればいいですか?
それは私も聞きたいです(笑)。最初の職場ではおしゃれには無頓着な服装で出勤していたこともあり、「販売成績は良いのだから、おしゃれをしてきて」とお願いされたことがあります。
最近は、年下のスタッフとのコミュニケーションとして「そのアクセサリー、素敵だけどどこの?」とか聞いて、自分にも取り入れています。みんな情報をたくさん持っているので、トレンドも知れるし、コミュニケーションにもなり、いいこと尽くしです。
―いつもバッグの中にあるこれだけは欠かせないものは?
一昨年購入した「ハクスリー」という韓国ブランドの香水です。匂いが強いものは苦手ですが、この香水は爽やかで、落ち着くけど頭の中がスッキリする感じがあります。SC協会のロープレコンテストでもつけていました。
きっかけはスタッフからの誕生日プレゼントでもらったのですが、とても気に入って、リピートしています。お客さまからも好評で「どこのブランドですか?」「似合ってますね」と褒められます。

―これからの目標は
去年はSC協会のロープレコンテストをきっかけに、自分の中の視野が広がった1年でした。この経験を活かして、専門性をより高く持っていきたいという気持ちがあります。リアルの接客だけでなく、デジタル接客でもスペシャリストになりたいです。
また、今後ロープレコンテストを目指すスタッフが出てきたら、接客はもちろんマインド面でのフォローや、コンテストで学んだことを実務へどう活かしたら良いかを伝えていきたいです。
―あなたにとってファッションとは?オシャレをすることの意味は?
おしゃれには、少し背伸びが必要ではないかと思っています。背伸びをしたことで、また次の新しいおしゃれに挑戦してみようというきっかけにもなると思っています。
チャレンジしたことのない新しいものを身につけ、自分にはちょっと早いかなと思っても、身につけてみると意外にイケてるなと感じることで、また次のステップが踏めるように、自分の視野が広がっていくツールだと思います。

寺尾 円香 てらお まどか
高校卒業後、アルバイトでアパレルやシューズの販売を経験。その後、20代のうちに経験を積みたいと思い、エステサロンの受付や不動産営業など、さまざまな仕事に従事し、2014年3月にユナイテッドアローズへ入社する。