販売員は接客だけがお仕事だと思ったら大間違い。スタッフのマネジメントや在庫管理、店舗運営など、業務は多岐にわたります。それゆえに悩みもさまざま。自分の接客力を上げたい。スタッフの接客力も上げたい。売上はどうやったら上がる?マネジメントって何するの?などなど。
このリレー連載では、いま店頭で何が起きていて、販売員たちは何に悩み、どう解決したのか。リアルな課題とその解決策を、JUNグループの各ショップで働く現役店長たちが伝えていきます。
国内外の注目ブランドのファッションやコスメ、生活雑貨などを展開する「ビオトープ」。旗艦店にあたるビオトープ トーキョーは、東京・白金台にある“プラチナ通り”と呼ばれるメイン通りに面した路面店で、ボタニカルやレストランも併設された複合型ショップになっている。今回は、店長・ショップディレクター(以下、SD)を務める東條俊哉さんに路面店・旗艦店の接客方法や集客の仕方について語っていただきました。
服だけでなくカルチャーも届ける接客
大学が白金台の近くにあり、学生時代からビオトープ トーキョーの前身である「アダム エ ロペ ビオトープ」だった頃から、よく足を運んでいました。同じころ、渋谷にあった「アダム エ ロペ」のメンズ店もよく利用していて、両店舗の店構えや品揃えが良く、加えてスタッフがカッコよかったという思い出があります。
普通の大学生から見れば、当時の販売員は恐れ多いイメージで、話しかけるのもやっとという印象がありました。その頃は明確な目標が特になく、大学卒業後もフリーターでいろいろな仕事をしている中で「アダム エ ロペ」のスタッフ募集を目にし、すぐに応募しました。
最初に配属されたのは「アダム エ ロペ」ルミネ横浜店でした。それまでお客さま側の立場だったのが逆転し、憧れていたスタッフとして働くようになって楽しかったです。
その後、「ワイルド ライフ テーラー」恵比寿店に異動になり、そこで学生の頃、恐れ多いと思っていたスタッフとも同じ店で働くことになった時はうれしかったです。その先輩スタッフが身につけているファッションアイテムはもとより、どんな映画を観ているのか、どんな本を読んでいるのか、アートや写真がファッションにどんな影響をもたらすのか、といったさまざまなカルチャーなども教えてもらい、とても刺激されました。
この時に受けた刺激は今の接客にも活きています。
路面店に足を運ぶ方は店になにか期待して来店します。そういったお客さまにお目当ての商品だけでなく、それ以外の情報やカルチャーなど、何かしら持って帰っていただきたいと思って接客しています。そのためにも、販売員自身がさまざまな情報を得て経験し、カルチャーを学び、自分を磨いていく必要があると考えています。
