FashionStudies®︎がファッションビジネス学会+10Y研究部会と共催で、Think of Fashion® オンライン #10「ラフォーレ、原宿、ファッション雑誌~HARAJUKUイメージの近現代~」を開催する。今回の講座では 、この約100年間で宿場町から軍領地となり、さらに若者の街から変化を遂げようとしている原宿の歴史と、ランドマークであるラフォーレ原宿の変遷とファッション雑誌が原宿をどう描いてきたかを紐解いていく予定だ。
原宿駅舎は、コロナ禍で大騒ぎだった2020年に世代交代した。1906年に開業し、1924年に街のシンボルとしてよく知られた駅舎が完成、その後100年弱の期間、原宿の街を眺めつづけた駅舎である。その周囲は、目まぐるしく変わっていった。川の流れる宿場町から、軍靴の音響く練兵場、緑の森が息づく明治神宮、占領下には米軍の土地へと転用された。周囲も、閑静な住宅街から瀟洒な外国を思わせる街へ、そして若者が集う街へと移り変わっていった。
さまざまな変転を経て、1970年代から1980年代にかけて形成される「若者の街」という印象。渋谷地域と暗に対比されて描き出される原宿地域の独自性について、そのランドマークであるラフォーレ原宿の変遷をたどり、ファッション雑誌がどのように原宿を描き出してきたかという点について、全体像を提示していく。
講師プロフィール
田中里尚(文化学園大学准教授)
1974生。文化学園大学准教授。 ファッションが作る社会規範と雑誌メディアの関係の歴史を研究している。『リクルートスーツの社会史』(青土社 2019)、共著「第6章 ファッション」『[新版]現代文化への社会学』(北樹出版 2023)。