1751年創業の繊維商社、タキヒヨーは、11月11日と12日に愛知県一宮市で初開催された「BISHU COLLECTION produced by TGC」の学生ファッションショーを、自社の一宮工場から生まれたオリジナル生地の提供でサポートした。地元高校生がデザインした衣装の生地選びでは、一宮工場での紡績工程を見学し、尾州産地のものづくりの素晴らしさを体感する機会を創出した。
この「BISHU COLLECTION」は、史上最大級のファッションフェスタ、東京ガールズコレクションがプロデュース。地元一宮市の愛知県立一宮高校と修文学院高校の生徒たちは衣装制作に挑戦し、タキヒヨーは高校生デザイナーの要望に寄り添った生地の提案、提供を行った。
一宮工場は2014年に新設した“ものづくりの拠点”であり、その源である「英式紡績機」は70年前に製造されたもので、国内に現存する物はほとんどない。産業革命の時代の手工業から機械工業への過渡期の記憶を残す希少な紡績機により、現代に普及している仏式紡績機では出せない風合いの糸を生み出している。一宮工場で企画開発されたオリジナリティの高い糸や生地は、国内外のブランドから高く評価されている。
タキヒヨー一宮工場の神尾 芳工場長は「尾州ウールは国内最大の毛織物産地ですが、高齢化や後継者不足が進み、縮小が進んでいます。失われつつある技術を受け継ぎ、伝統と技術の承継に取り組んでいます。今回、一宮高校と修文学院高校の生徒たちに生地提供が行われ、尾州のすばらしさを広める機会となり、新たな価値観の出現を感じ、製造現場への注目につながることを期待しています。工場見学では、高校生たちが英式紡績機から生まれた糸で織られた生地に興味津々で、次の世代に尾州の魅力を伝える可能性を感じました」とコメントした。
タキヒヨーは今後も、地元に根差した企業として、多様な切り口からの地域創生への貢献を目指す考えだ。