ファッション・ビューティ業界を中心に、総合的な店舗運営コンサルティングをおこなっている株式会社BRUSHの秋山恵倭子です。
全12回にわたり「店長」という仕事の魅力と、仕事との向き合い方について、ラグジュアリーブランドの販売に長年に携わった経験を踏まえてお話ししていきます。
ここまで勝てるチームになるために必要な考え方、数字でスタッフの行動を可視化することでマネジメントすることをお伝えしてきました。ここからはこの連載の根幹となる「売上をつくる」ことについてお伝えしていきます。
あらためて販売の仕事について考えてみましょう
世の中にはさまざまな商品が販売されていますが、皆さんは魚や肉、野菜など、生鮮食品を販売する店ではどのように接客販売しているか考えたことはありますか。生鮮食品は商品を店頭に並べたそばから鮮度がどんどん落ちていきます。だから、その日のうちにできるだけ売り切ろうと工夫しています。
あるケーキ屋さんに聞くと、生洋菓子は売れ残りをその日にすべて廃棄しなくてはいけないため、「捨てる時に泣きそうになる」と話していました。廃棄率を考えて作っているとはいうものの、売れないときもあります。捨てなければならないのは辛いですね。ですから食品の販売は、簡単な仕事ではないのです。
その一方、洋服やジュエリーの販売は商品が腐るということはないのですが、売れないと商品の代わりに、心が腐り、スタッフたちのやる気が失われていきます。活気のないお店には、お客さまも来なくなってしまいます。どれだけ気持ちを入れて店頭に立てるかが重要になるのです。
店頭に立つときの心構え
私の仕事への活力の源は「人に喜んでもらいたい」という気持ちです。
販売員がなんのために店にいるかというと「お客さまに幸せを売るため」です。常にお客さまに喜んでもらいたいという姿勢で立っていると、お客さまが私をめがけて店に入ってこられ、声も掛けてくださいました。店の前を歩くお客さまに向けて「私と洋服の話をさせてくれませんか」というオーラを発していたからでしょう。
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