「販売員に必要な資質は?」
「販売員に求められることは?」
仕事柄、よくこういう質問を受けます。
何だかんだで約20年間、アパレル業界を中心に販売員さんを取材してきて思うのは「みんな持っている資質が違っていて、これだ!という共通する資質が見当たらない」ということ。簡単にいえば「みんな違って、みんな素敵で、みんなイイ!」という感じ。
そうなると「別に必要な資質なんていらなくない?」と考えるようになりました。
そもそも、販売員の仕事ってなに?
一般的には「販売職=売り子・店員など、物を売る人」というイメージだと思います。
しかし、これを読んでいるあなたは、洋服を買う時どうしていますか。
実店舗オンリー?ネットだけ済ませてます?
業界の方でしたら、もちろん店でもネットでも買ったことかありますよね?
ちなみに私は、ネットで下見して目星をつけたものを実店舗で試着確認した上で、手持ちの服と吟味して購入を決めます。たいへん面倒くさいですが、確実に納得できるものが買えます。
こういった具合で、私だけに限らず、ネットで下見して実店舗で確認してから購入を決めるというお客さまが増えているのではないでしょうか。
ある企業のロールプレイングコンテストでは、事前にネットやSNSで商品をチェックしてきたお客さまという設定で審査しています。これは同企業がNPSの調査結果から導き出した主となる客層ということで設定しています。
また、取材で販売員さんに聞くと、ふらりと入店する人も相変わらずいるけれど、購入に至るお客さまは商品や店のことをなにかで知ってから来店される傾向が強まっている様子です。
さらに近年では、販売員がSNSなどでスタイリングを発信して来店を促す手法が当たり前になりつつあります。
そうなると販売員の仕事は商品の販売するだけでないと思いませんか。
販売員の仕事は物を売ることは大前提として、それに付随する「お客さまの手に商品を届けるまでの導線を創る」という役割の比重が高くなっているということです。
要は“お客さまと商品の架け橋になる”ことが、いまの販売員には求められていると思います。
ただし、ここで一つ言いたいことがあります。
お客さまへ商品を届ける導線は、ネットやSNSでの発信だけに限らないということ。
それを踏まえて、次回は必要な資質について考えていきます。