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  4. アップサイクルファッションで社会課題に光を当てる文化服装学院×SHIBUYA109×ZOZOの産学連携企画開催

アップサイクルファッションで社会課題に光を当てる文化服装学院×SHIBUYA109×ZOZOの産学連携企画開催

2026 2/06
しる でかける
2026年2月6日
苫米地香織
今年度のトップ12チームの作品

株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、文化服装学院と株式会社ZOZOの3社で連携し、学生たちが身近に感じている社会課題を古着のアップサイクル作品を通じて発信する産学連携コラボレーションを2022年から実施している。今年も文化服装学院ファッション流通科1年生300名が44チームに分かれて作品を制作し、2026年1月22日(木)に文化服装学院B201ホールにて、公開プレゼンテーションを開催した。

この企画は、21年度にSHIBUYA109渋谷店において開催した「SDGs」をテーマにしたポップアップストア出店がきっかけとなっている。22年度からは、アップサイクルファッションを通じて“Z世代が感じる社会課題”を発信。学生たちが身近に感じているさまざまな社会問題の中からチームで一つのテーマを決めて、企画・デザイン・制作・プレゼンテーションをおこなう。作品制作に使用する古着は、ZOZOが提供するブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」の販売基準に満たない古着約600点の中から学生たちが選んでいる。

今年は「ネグレクト」や「ジェンダー問題」「人種差別」「闇バイト」「ネット依存」「AIによるフェイクニュース」など、世界規模で課題となっていることから日常のネット社会の中で感じている課題まで、幅広いテーマが選ばれた。

プレゼンテーション当日は、全44作品の中から上位12チームが舞台上で、自分たちが選択した社会課題の背景やそれらが原因として起こる問題を深掘りし、それをデザインにどう落とし込んだのか、デザインに込めた想い、イメージムービーをプレゼンした。

この上位12チームの作品は、2月25日(水)~3月10日(火)まで、SHIBUYA109渋谷店8階 イベントスペースに展示。また、学生たちが作品とともに制作したイメージムービーを、SHIBUYA109渋谷店2階「COCO SPOT」にて放映する。

今年は初の試みとして全44作品によるランウェイショーも実施。モデルが着て歩くことで、作品の出来栄えがより際立ち、上位12チームの作品の完成度の高さを伺うことができた。

この企画では、上位12チームの中から、最優秀賞、2位、3位の上位3作品のほかに、ZOZOから審査員特別賞として「ソウゾウのナナメウエ賞」が決定される。審査基準はテーマ発見・分析力・コンセプト発想力・アップサイクル度・ビジュアルクリエーション、プレゼン力の5項目。今年は、最優秀賞とソウゾウのナナメウエ賞に6-Aチームが「ネグレクト」をテーマにした作品が選ばれた。2位は、3-Aチームの「MBTI診断による偏見について」をテーマとした作品が、3位には5-Aチームの「過剰消費主義」をテーマにした作品が選ばれた。

作品左から、2位の3-Aチーム、最優秀賞の6-Aチーム、3位の5-Aチーム

3位を受賞した5-Aの作品は、ぱっと見の美しさの裏に潜む過剰な消費だけでなく、過剰な労働にも目を向けている。古着の端材も余すことなく使いきるために、帽子の中に端材を詰めて高さを出した。また後ろ姿はスカートのボーンが丸出しになっており、そこにもメッセージ性を込めたという。

2位を受賞した3-Aチームの作品は、世の中にあるさまざまな“診断”と名のつくものに対して、異議を唱えている。よくわからない基準で外見の美しさを診断し、さまざまな手段で変わろうとする一方、変えることができない“骨”に着目。また、ボトムはおむつをイメージした中綿入りのショートパンツを制作。赤ちゃんの時の無防備さ、純粋さを表現している。

最優秀賞とソウゾウのナナメウエ賞を受賞した6-Aチームは、当事者だったチームメイトの想いも取り入れながら、赤ちゃんが被るボンネットと大人が着るスーツを組み合わせて、幼児性と大人社会の闇を表現した。チームメイトには中国人留学生もおり、制作しながら言語や文化の違いなどを学ぶこともできたと学生たちは話す。

この企画を通じて、いままで目を向けたことがなかった社会課題に向き合ったり、身近に感じていた社会課題をより深く見つめ直したこと自体も学びになったと思う。だが、それ以上にファッション通じて、それらに目を向けてもらうためのクリエイティビティはさらに学びになっただろう。

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Author

苫米地香織のアバター 苫米地香織 Fashion Commune 主宰

FashionCommune 主宰・販売ジャーナリスト
日本で一番アパレル販売員(2000人以上)を取材してきたジャーナリスト。
自分は挫折してしまった販売職の奥深さに感銘を受け、現在は販売職の地位・価値・質の向上を目指し「Fashion Commune」を運営する。

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