スタイレム瀧定大阪株式会社が運営する「+CLOTHET(クロスクローゼット)」が、これまで廃棄処分されてきた裁断くずを再利用したTシャツとソックスを販売する。
「クロスクローゼット」は生地への徹底したこだわりとテーラー監修のデザインで話題のDtoCブランド。代表素材「SUVIN PLATINUM(スビンプラチナム)」は、綿花の繊維の長さが35mm以上の超長綿において特に繊維長が長く、その希少性で世界トップクラスと称される「SUVIN(スビン)」のなかでも最高品質の“ファーストピック(初摘み)”だけを糸にしたものからつくられている。
今回のプロジェクトでは、年間約1万枚の販売実績のある「スビンプラチナム」を使ったTシャツを生産する際に発生する裁断くずを再利用したTシャツとソックスを開発。資源の節約やゴミの削減に貢献しながら、ファッションの新たな可能性に挑戦する。
近年アパレル業界では、使用済みの衣服や生産の過程で生じてしまう生地の端切れなどを回収し、原料として再利用する動きが活発化している。従来の方法ではもとの生地よりも粗い生地になってしまうため、軍手や帆布などでの活用がほとんどだったが、最新の紡績技術によって糸の品質が向上したことから、「クロスクローゼット」でも協力工場の賛同を得て、この取り組みを開始することができた。
ただ、リサイクル糸とはいっても100%リサイクルではなく、いまの技術では紡績の際に新しい繊維原料を混ぜ合わせることが必要で、オリジナルの糸の特性を再現することはできない。そのため、今回のプロジェクトにおけるリサイクル糸も、従来のスビンプラチナムのような繊細でとろけるような柔らかなタッチにはならず、別物ととらえている。
完成した「Recycled Suvin(リサイクルスビン)」はスビンプラチナムとはまったく違う味わい深い表情をが生まれ、それ活かしていままで手がけてこなかったアイテムに挑戦し、ブランドの世界観を広げていく。