公益財団法人パル井上財団は、全国の服飾専門大学および専門学校の学生たちが接客を競うロールプレイングコンテスト「第6回 PAL FOUNDATION CUP」を2025年10月17日に開催した。
パル井上財団とは、13年にパルグループの創業者一族である井上ファミリーにより設立された財団で、経済的な理由により修学が困難とみられる総合大学および服飾系大学・短大・専門学校などに通う日本人学生および外国人留学生に対し、給付型奨学金を付与するなど、将来のアパレル産業や関連する分野に貢献し得る人材を育成することを目的としている。
服飾大学・服飾専門学校に通う学生を対象にしたコンテストというと、これまではファッションデザインなどものづくりを学ぶ学生を対象にしたものしかなかった。そこでパル井上財団は、ファッションビジネスを学ぶ学生を対象にしたコンテストとして、18年から「PAL FOUNDATION CUP」を始めた。今年で6回目の開催となる。

表彰式では思い思いのポーズで記念撮影
プロ顔負けのヒアリング力を発揮する学生も
今年は全国22校41名の学生が参加。西日本と東日本で予選会をおこない、10月17日に開催された本選に10名の学生が挑んだ。会場にはクラスメイトらが応援に駆け付け、競技前にエールが送られた。
今年のテーマは「また接客してもらいたい、また来店したいと思ってもらえる接客」。提案に必要なニーズ確認・情報取集ができているのはもちろんのこと、提案力や決め手になる一言を伝えた上で、自分の個性や魅力を発揮できたかが審査基準となっている。
本選に出場した学生たちは、現役販売員にも引けを取らない接客を披露。時折。「これだけは伝えなきゃいけない」と練習してきた感のあるセリフも出てきたところもあったが、どの学生も目の前のお客さまが何を求めているのかを引き出そうと質問ができていたことに関心した。
リサーチなどで店に足を運んでも、質問はおろか、声を掛けてくる販売員も少なくなっている中、こういった技術を身につけて社会に出てくる学生たちがいることに希望を感じた。

審査員を務めたパーソナルスタイリストのみなみ佳菜さんは、表彰式の講評で「販売は、時にお客さまの人生にもより添えることができる仕事です。そのためには接客技術を磨くことも大切ですが、お客さまとの会話を楽しむことも大切にしてください」と、未来の販売員たちへエールを送った。
第6回 PAL FOUNDATION CUP 受賞者
プラチナ賞 樋口ことみ(東京モード学園・写真右から2人目)
ゴールド賞 髙田新大(名古屋モード学園・写真右から1人目)
シルバー賞 西澤瀬里茄(織田ファッション専門学校・写真左から1人目)
シルバー賞 井田祥太(織田ファッション専門学校・写真左から2人目)

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