「すべての美は数式であり、ファッションは学問である」を提唱するファッションプロデューサー・服飾専門家のしぎはらひろ子です。この連載では、ファッションのプロとして身につけておいてほしい「ファッション理論」をお伝えしていきます。
私たちは誰かに何を伝えるとき、必ず言葉を使います。ですが、店頭でお客さまに商品を説明する際、つい「~っていうか、可愛くないですか?」などとフィーリングで話していませんか。気持ちは伝わったとしても、それでは商品知識が正しく伝わったとはいえません。
「今年らしいワインカラーで袖にボリュームのあるショート丈。コーデしやすいし可愛くないですか?」と、少し修飾する言葉を足すことで、お客様の商品に対する印象が変わるのです。
今回はあらためて日本語について学び、ファッションを言語化できるようになりましょう。
日本語の基本を再確認する
皆さんは、小学生時代に国語の授業で文法について学んだことを覚えていますか。すっかり忘れているのではないでしょうか。
日本では小学校までに、主語・述語・修飾語・品詞分類・指示語など日本語の基本となる文法を学びます。この文法を正しく理解し、使うことで、相手へ正しく物事を伝えることができるのです。
友人同士であればこうした言葉のルールを多少守らなくとも、ニュアンスで伝えることができますが、これがお客さまや取引先の人であったらどうでしょう。接客時の会話をはじめ、社内の人へ送るメールや文書については、日本語のルールを守らないがために意図が正しく伝わらないということがたびたび起こります。
では、日本語の文法について、復習していきましょう。
日本語は大きく「文章」「段落」「文」「文節」「単語」という5つの単位に分解できます。
言葉の単位とは
◆文章:いくつもの文が集まっているもの
◆段落:文章をいくつかのまとまりに分けたもの
◆文:まとまった一つの意味があり、句点(。)で終わるもの
◆文節:意味を壊さずに文を区切ったもの
◆単語:言葉として一番小さな単位
まず、この中から「文節」について解説します。
文節には「主語」「述語」「修飾語」「接続語」「独立語」の5種類があります。
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