株式会社ジュンは、展開する13ブランドのほか、アウトレット事業部、飲食事業部などを含めた、国内全店舗の店長が一堂に会する「YACアカデミー」を2024年11月27日にホテル椿山荘東京にて開催した。
会場には店長はじめ、本部社員など約360名が集まり、1日かけて講演会、ワークショップなどを実施。第2部では交流会もおこなわれた。
ショップスタイリストの仕事を見つめ直す時間
「YACアカデミー」の「YAC」は、ファッション、フード、フィットネス、飲食など、人々の生活を取り巻く幅広い事業を展開しているジュングループのパーパスである「YOU ARE CULTURE.」の頭文字からとっている。アカデミーの冒頭では、そのパーパスの本質を語るムービーを流す。ナレーションはドキュメンタリー番組「情熱大陸」の窪田等さんによるものだ。
その流れから佐々木進社長が登壇し、集まっている店長たちに向けて感謝の言葉、そして24年の雑感、25年に向けての考えを語った。その中で特に伝えたいことは「初心に帰る」ということ。
「我々の仕事は、人を美しくして喜んでいただくことが仕事です。これは目的であって、服を売ることは手段。目的を達成するにはさまざまな方法があります」と述べ、売り方の変化に伴う販売員の仕事の変化や、人にしかできない仕事であること、好奇心や美意識の大切さを語った。
デジタルとアナログで、どうお客さまとコミュニケーションするか
講演会には2人の有識者が登壇。
午前中は、ビジュアルアドバイザー・SNSコンサルタントの木村麗さんによるSNS発信についての話を聞いた。“SNSで描くジュンの未来”をテーマに、ショップスタッフがSNSを活用する必要性・重要性について話した。後半には、ジュンの渡辺明利専務と「アダム エ ロペ」京都藤井大丸店ショッププレスの川端さんと「ビス」新宿ルミネエスト店ショッププレスの鈴木さんを交えてディスカッションもおこなった。木村さんのサポートのもとSNS発信を始めた2人の事例は集まった全員の参考になったと思われる。
午後の講演会には“顧客づくりアドバイザー”としても活躍する土井美和さんが登場。土井さん自身のルイ・ヴィトンジャパンでの販売経験を踏まえて、顧客化の重要性と顧客づくりで心がけてていたこと、販売職の醍醐味などについて話した。
後半では各テーブルでグループをつくり、「どのようにSNS発信し、集客につなげるか」「そのように接客を進化させ、顧客化するか」を話し合うグループディスカッションを実施。その内容をくじ引きで選ばれた3グループがステージ上で発表した。
会場にいた店長たちは、木村さん、土井さんの話を熱心に聞き入り、メモを取っている姿も見えた。ショップスタッフは実店舗でのリアルなコミュニケーションを大切にする一方で、デジタルツールやインターネットの発展と共にお客さまと繋がる手段が多様になったからこそ、デジタルとアナログの両方をうまく活用していくことも学ぶ必要がある。今日は、お客さまと多様な方法で接点を持つことについて学ぶ一日となっただろう。
さらにYACアカデミー第2部の交流会では、社長および役員の選ぶベストドレッサー賞の発表などもおこなわれ、滅多に話す機会がないブランドやエリアの枠を超えて、店長たちが繋がる機会になった。