「すべての美は数式であり、ファッションは学問である」を提唱するファッションプロデューサー・服飾専門家のしぎはらひろ子です。この連載では、ファッションのプロとして身につけておいてほしい「ファッション理論」をお伝えしていきます。
前回はパーソナルカラーの歴史と問題点についてお伝えしました。今回はファッションのプロである販売員として知っておいていただきたい「色の原理」と、それを踏まえてパーソナルカラーをどう活用していけばいいのか解説していきます。
色は光のように反射する
前回の冒頭で「パッケージの色を反射させ、野菜や果物の色を新鮮に見せるいる」とお伝えしました。洋服も同様で、パーソナルカラーの原理は「首下の衣類の色が反射して顔に映る“衣類の反射光”によって顔色をより美しく見せる演出効果」なのです。
しかも、衣類は素材によっても反射の仕方が違います。例えば、サテンのような光沢感のある素材なら反射率が高いため、顔映りも良く、明るくなります。反対にモヘアのような毛足のあるニット素材は反射率が低く、顔映りに大きな変化がありません。
生鮮食品売場や生花店は、同系色の濃い色を背景にして商品を並べたり、近くに同系色の強い色を置いたりすることで、色を反射させて商品の色味を引き上げ、実物より鮮度よく美しく見せるという、色の特性や効果を有効に使った演出をしています。色が似合う・似合わないという話はこの応用なのです。
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