一般財団法人日本規格協会は、2024年8月20日に繊維製品の取扱表示記号に関する日本産業規格(以下、JIS)を発行した。今回の国際規格改訂に伴い、洗濯表示記号を改正。衣類のタグなどに付けられている「洗濯表示記号」が新しくなった。
今回発行されたJIS L 0001では、家庭洗濯(洗濯、漂白、乾燥及びアイロン仕上げ)及び商業クリーニング(ドライクリーニング及びウエットクリーニング)による繊維製品のケア(取扱方法)に関する表示記号及び表示方法について規定している。
かつては、各国によって異なる図や記号が用られており、日本でも独自の記号を規定したJISを使っていたが、2014年10月に国際規格(ISO 3758)に整合したJIS L 0001が新たに制定され、現在の記号になった。
今回は対応国際規格が2023年に改訂されたことに伴い、2024年8月に本JISも改正。現在、世界中で様々な国の衣類が製造・販売されているが、この改正により最新の国際規格に整合した記号となり、よりスムーズに、より適切に取り扱われるようになることが期待されている。
JIS L 0001:2024の主な改正部分
記号の部分修正
液温30℃を上限とした手洗い記号の追加
液温30℃の手洗い試験で問題のない製品に対して、新たな記号を追加しました。
アイロン仕上げ処理温度の変更
JIS L 0001制定前の従来のアイロン温度に戻りました。
アイロン仕上げ処理記号の追加
低温(120℃)のスチーム使用によって生地への損傷が懸念される製品に対して、新たな記号を追加。
これだけは覚えておきたい!洗濯表示記号
家庭洗濯
「洗濯」の方法は、洗濯桶のマークで表す。洗濯桶の中の「数字」は「洗濯液の上限温度」を表しており、例えば「40」であれば「40℃以下」の洗濯液で洗うことを意味している。洗濯桶の下の「線の本数」は「力の強弱」を表し、線の本数が多いほど力の加減を弱くすることを示している。
クリーニング
クリーニングの方法は円と、クリーニングの溶剤の種類を意味するアルファベットを組み合わせて表す。
洗濯表示に用いる記号には、5つの基本記号がある。また、表示には順番があり、洗濯するプロセス順に左から「家庭洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン」「クリーニング」 という並びになっている。
記号は、基本となる5つの図と、それらに付加される記号と数字によって、様々な取扱い処理を表示している。