店頭に秋物が並び始める頃。今年らしいスタイリングへとアップデートを図るうえでのヒントはランウェイに詰まっている。
そこで、2024年3月11日~16日にかけて開催されたRakuten Fashion Week Tokyo2024A/Wおよびその前後に行われたオフスケジュールのショーから、Fashion Communeが注目する4ブランドを紹介する。
SEVESKIG /(un)decided
長野剛識デザイナーが手掛けるメンズブランド「SEVESKIG(セヴシグ)」とウィメンズブランド「(un)decided(アンディサイテッド)」。
2024AWは『Dream:夢』をテーマに掲げ、アボリジナルピープルの概念である『夢』と、私たちの知る2つの『夢』。つまり『未来に見る希望』と『眠りの中で見るさまざまな事象』とをクロスオーバーしたコレクションを展開した。
「(un)decided」は、夢という言葉から連想される『希望』に寄せ、ふわふわとしたニット素材、透け感のある素材を何枚も重ねたワンピース、ピンクやブルーなどパキッした差し色などのディテールが、カジュアルな中にかわいらしさを感じさせた。
一方「SEVESKIG」は、よりダークサイドな『悪夢』に寄せて、真っ赤なニットやチェックのパンツ、レタードのジャケットやパンツパンクなど、パンクファッションを思わせる反骨精神を感じるスタイルなどを展開。
同じ「夢」がテーマであっても、希望に満ち溢れた夢と現実的な夢が見せる違いが上手く表現しているところに注目してほしい。
MIKAGE SHIN
進美影デザイナーが手掛ける「MIKAGE SHIN(ミカゲ シン)」の2024AWのテーマは「GAME CHANGER」。そのテーマを象徴するかのように、ファーストルックには挑戦的でアーティスティックなスタイルが登場した。
繊細なディテールと大胆なカッティング、ハードな素材と柔らかな素材、女性的なイメージと男性的なイメージといった相反するものがバランスよく調和したコレクションを展開。これまでジェンダーレスファッションの代表的なブランドとして取り上げられることが多かったが、4年目を迎えて、その先へ向かう気持ちを強く感じさせた。これからさらに注目していきたい。
support surface
研壁宣男デザイナーが手掛ける「support surface(サポートサーフェス)」の2024AWコレクションのキーワードは「カワイイ」であった。
「support surface」というと、立体裁断を用い、シンプルでありながら着る人がより美しく引き立つ衣服を展開し、所作の美しさを感じさせるブランドという印象だったが、今シーズンは素材やディテールに“かわいらしさ”を感じさせるコレクションを展開。
研壁デザイナーにとっても、今回のコレクションは初めての挑戦といっても過言ではない。「support surface」流の“かわいい”に挑戦したところに、いろいろな意味で注目したい。