元日から石川県能登半島地震、翌日には羽田空港での飛行機火災と、立て続けに国内を揺るがす事件が起こりました。
被災された方、お怪我をされた方へは、いち早い復旧・回復をお祈り申し上げます。
こういった災害や事故があると、現場の近くにいる人であれば手を差し伸べることもできるかもしれませんが、ほとんどの人は遠くから見守ることしかできません。もどかしいですね。
そのもどかしい気持ちが良くも悪くもここ数日のSNSに溢れかえっているように感じます。
SNSに集まる消費者の要望
そのSNSの中で注目したいキーワードが「婦人服ポケット問題」です。
「女性向けの衣料品にはなぜポケットがないの!」という消費者の要望を発端とするこの問題は、度々SNS上で盛り上がるのですが、恐らく店頭でもポケットがある・ないで服を選ばれるお客さまに出会った販売員さんは多いのではないでしょうか。
今回は、「飛行機火災に遭った場合、全ての荷物は機内に置いて避難しなくてはならない」ということからでした。とはいえ、本当に大切な財布やスマホなど、最小限の荷物くらいは持って非難したいですよね。では必要最小限の荷物はどうすればいいの?という話からでした。
元CAの方々は、紐が付いているバッグは絶対NGと発信されていました。例えばポシェットやサコッシュ、体に密着するボディバッグも機内に置いていくよう指示するとのこと。視覚障害者の白杖も脱出シューターを破る可能性があるため置いていくように指示されるとのことでした。その代わり、飛行機に乗る際は口を閉じることができるポケットのある服を推奨されていました。
では販売員の皆さん、自店にポケットのある服がどれくらいありますか?
最近はカーゴパンツやMA-1やモッズコートなど、ワーク系のデザインがトレンドになっているので、店頭にあるかもしれませんね。取り扱うブランドやメーカーによって、品揃えは偏りはあると思いますが、消費者視点では「なんでポケットがないの!」と感じるくらい少なく映るようです。
私個人の感覚では「探せばあるけど、そんなに少ないかな?」と感じる程度ですが、いかがでしょうか?
業界として、販売員としてできることは?
反対にアパレル業界の作り手からは、ポケットが付けられない理由が投稿されています。シルエットの問題、仕様の問題、価格の問題など、理由はさまざまありますが、一番の問題は「仕様や工程、それに対する価格面が釣り合わないこと」が大きいように個人的には感じています。この件はまた追々書いてみようと思いますが、そこで作り手と買い手、双方の意見を理解している販売員として何ができるかです。
販売員の仕事は作り手と買い手の橋渡し役であり、お客さまの要望とそれに合う服を提案することです。
旅行に行くときにはどんな服が良いかリサーチしておく。
災害に遭うことも想定してポケット付きの服をお勧めするのであれば、どんなポケットの仕様ならベストなのか調べる。
自店の商品にベストマッチするものがあるか確認し、自店になければ他店の商品もチェックしてみる。
その他店の商品と自店の服で旅行のコーディネートを考える。
それをSNSで発信するのも良いでしょう。
また、ポケットのメリット・デメリットをどう伝えるか考える。
ポケットがあるために価格が高くなるのであれば、そのメリットや良さをどう伝えれば良いか考えてみる。
ポケットがない服を着て旅行に行くのであれば、その不安どう対処すれば解消できるのかアドバイスできるようにしておく。
この災害をきっかけに、販売員として考えること、できることはたくさんありますよ。服を通じてだれかの役に立つというのは、こういうことではないでしょうか。