「“これからのファッションブランドと産地と服作り”~学生時代にするべきこと・ファッション教育に期待すること~」と題し、東京ニットファッション工業組合(TKF)青年部企画委員会と株式会社糸編の宮浦晋哉代表が共同主催するトークイベントが、2023年11月17日に開催された。司会は宮浦さんが務め、TKF合青年部委員長で株式会社ZOOM代表の加々村征さんと、ゲストとしてファッションブランド「foufou(フーフー)」デザイナーのマール コウサカさんが招かれた。
タイトルに「学生時代にすべきこと」と入っていることもあり、会場にはファッションを学ぶ学生やファッション教育に携わる教員関係者が集まった。
宮浦さんの手には、2020年9月に出版されたコウサカさんの著書『すこやかな服』が握られていた。トークイベントはこの書籍をベースに、コウサカさんが学生時代に取り組んできたことや、これまでの経験を通して「これをした方がいい」と感じたことを聞いていく形で進められた。
手探りでもいいから挑戦する 学生時代の経験が糧になる
『すこやかな服』には、コウサカさんが大学卒業後、文化服装学院のII部服飾科(夜間)へ入学し、在学中の2016年にファッションブランド「フーフー」を立ち上げた頃の話から、ものづくりへの思い、消費に対する考え方、ブランドの在り方などが赤裸々に綴られている。
宮浦さんはこの書籍で、縫製工場に対し「さん」付けしていることが気になっていたようで、最初にその理由を尋ねた。
「自分はポンコツだと思っているので、工場には『作らせてもらっている』、販売員には『販売してもらっている』と思って、いつも接しているんです」と、コウサカさん。さまざまな理由により国内の縫製工場が衰退した今、あらためて作ったり、売ったりする職人たちを大切にしたいという思いがそうさせているようだ。
会場には、書籍に登場する文化服装学院II部時代の担任も来場しており、当時の様子を聞くことができた。
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