「販売員を応援する」をテーマに、自身の販売員時代の思い出や現役販売員に向けたアドバイスを伺いました。現在はパーソナルスタイリストとして、政治家やビジネスパーソンのスタイリングをしているみなみ佳菜さんの原点は、販売員として働いた経験にあるそうです。販売員・ストアマネジャーとして全国を駆け回っていた頃や、パーソナルスタイリストの仕事について伺いました。
みなみ佳菜(みなみかな)
大学卒業後、Eddie Bauer、BCBG MAXAZRIA、MAX&Co.にて、販売、店長、マネジャー職を経験し、2007年にパーソナルスタイリストジャパンに入学。11年からみなみ佳菜スタイリングオフィスを主宰。現在は“装いのチカラ”を通じて、ひとりでも多くの人をハッピーにしたい!との想いで、パーソナルスタイリストとして活動する。
公式サイト http://kana-minami.com/ 公式ブログ http://ameblo.jp/kana-koror/
―販売員からパーソナルスタイリストへ転身し、いまは大活躍されて、書籍も出されていますが、どのような経緯でパーソナルスタイリストになったのですか?
みなみ佳菜さん(以下、みなみさん) マネジャーとして全国のショップを周っていた際に、時間があると店頭で接客をして、とても楽しかったのです。だからといって、どうしても販売員に戻りたいわけでもなく、自分のキャリアに悩んでいました。その頃、自分の結婚式で前泊していたホテルの部屋に『シュプールリュクス』が置いてあったんです。その表紙には忘れもしない「お買物は世界のパーソナルショッパーにおまかせ」と書いてあって、「私のやりたいことはコレだ!」と思っちゃったんですよね(笑)。
―これは運命だ!という感じですか?
みなみさん 翌日は自分の結婚式で、会社の上司も呼んでいるのにそんなことを考えていました。それから知人に教えてもらったスタイリスト事務所へ行き「パーソナルスタイリストになりたい」と言うと、ここではできないからと「パーソナルスタイリストジャパン」という学校があることを教えてもらいました。そこでパーソナルスタイリングの基礎を学び、経験を積んで、2010年に独立しました。
パーソナルスタイリスト歴は14年で、販売歴は15年。まだ少しだけ販売員歴の方が長いんです。
―そうなんですね。外資系アパレルで販売員をされていたとのことですが…。
みなみさん 私が大学を卒業する頃はちょうど、就職氷河期で、30社受けて内定が出たのは2社だけで、その一つが当時日本に初上陸した「Eddie Bauer(エディー・バウアー)」だったんです。実は、学生の頃アルバイトしていたセレクトショップに、後にエディー・バウアーの店長になられる方が買物に来て、私が接客を担当したことがあったんです。そういう縁でとんとん拍子に決まりました。
―なんか運命的ですね。
みなみさん そうですね。ありがたいことにオープン初日からよく売れて、社長から直々に「みなみさん、おめでとう!」と握手を求められるくらい褒めてもらったんですよ(笑)。それまでの人生でこんなにも褒めてもらうことがなかったので、それから憑りつかれるように販売にのめり込んでいきました。子どもの頃は「何をやらせてもダメな子」と言われていたので……。
―何をやらせてもダメとは?
みなみさん とにかく子どもの頃から要領が悪くて、普段はちゃんとやっているのに偶然、手を抜いた瞬間を先生に見られて怒られることがしょっちゅうありました。間が悪いんですよね。それが、初めて“売上”という嘘のない結果に出合い、周囲から認めてもらえることがうれしかったんです。毎月売上トップをキープするのにサービス残業もいとわないくらいに接客していました。店長室の前に累計売上、客単価とかが張り出されて、それが安心材料になっていました。
当時はテクニックもなく、とにかく服が好きなだけで売っていました。ただ、アメリカ本社の作成したマニュアルがとても良くできていて、それを忠実に実践していただけです。
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330 JPY【先輩の声】パーソナルスタイリスト みなみ佳菜さん―買物の楽しさを提供できるのは販売員だけ。販売はすごい仕事だと自信を持って!
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