10月も全国各地で美術展やイベントが盛りだくさんです。直近で開催または開催中のアート展三選をご紹介します。
福祉×伝統のものづくりの可能性。
企画展「NEW TRADITIONAL 楽しい実験と実践」
株式会社ヘラルボニーは、福祉×伝統工芸の可能性に着目し、新しいものづくりのあり方や伝統工芸の可能性を模索していくプロジェクト「NEW TRADITIONAL(ニュートラ)」による企画展示「NEW TRADITIONAL 楽しい実験と実践」を2023年9月23日(土)よりHERALBONY GALLERYにて開催します。
NEW TRADITIONALは、2019年に奈良の一般財団法人たんぽぽの家とGood Job!センター香芝が取り組んでいるプロジェクトで、福祉施設とデザイナーの協働によるものづくりや展覧会、リサーチツアー、各地の職人との交流、学びあいの場づくりを展開しています。
今回の展示会では、この4年間各地で取り組んだ実践と実験をご紹介。存在そのものが愛おしくなるようなプロダクトと、ユニークなものづくりのプロセスもご覧いただけます。また、ヘラルボニーは「楽しい実験と実践」を共通のテーマとし、東北地方の郷土玩具である「こけし」と、ヘラルボニーが契約する作家のアートを掛け合わせ、自由な発想と感性から生まれたこけしを同会場にて展示販売します。
会期:2023年9月23日(土)~10月22日(日)
開廊日:土、日、祝日
時間:11:00~18:00
会場: HERALBONY GALLERY
住所:〒020-0026 岩手県盛岡市開運橋通2-38 @HOMEDELUXビル4F
参加: NEW TRADITIONAL
主催:株式会社へラルボニー
webサイト: https://store.heralbony.jp/pages/heralbonygallery-iwate
※平日ご来館希望の方はwebサイト内チャットよりお問い合わせください
ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財 名建築「百段階段」秋の見学会
日本美のミュージアムホテル ホテル雅叙園東京は、2023年10月7日(土)~11月26日(日)までの土日祝限定で、文化財保全期間 特別企画 東京都指定有形文化財 名建築「百段階段」秋の見学会を開催します。
東京都指定有形文化財「百段階段」は、ホテル雅叙園東京の前身である、料亭・目黒雅叙園の3号館として1935(昭和10)年に完成しました。かつて晴れやかな宴が行われた7つの宴会場を、99段の長い階段廊下が繋いでおり、ホテル内に当時のまま残る唯一の木造建築です。この「百段階段」の魅力をより多くの方に知っていただきたいとの想いから、保全期間中、本建造物に施された超絶技巧や、昭和初期から受け継がれる歴史をご案内する見学会を開催します。
昭和初期の開業時、大勢の大工、庭師、絵師、象嵌師、塗師らが集い、匠の技を結集して造られた本建造物には、伝統的な美意識と昭和初期のモダニズムが息づいており、2009(平成21)年3月に東京都の有形文化財に指定されました。その意匠を未来まで繋いでくための活動として、この度、漁樵の間の美術品の修復をはじめとする建物内の保全修復作業を実施します。
自由見学のほか、事前予約制で、専任ガイドによる見学ツアーや、四か国語(日本語 / 英語 / 中国語 / 韓国語)に対応する音声ガイドのレンタルを行い、創業者・細川力蔵のおもてなしの精神が宿る文化財建築の魅力をご紹介いたします。
期間:2023年10月7日(土)~11月26日(日) ※土日祝 限定開催
時間:11:00~18:00(最終入館17:30)
会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
料金:[当日券] ¥1,200 / 学生 ¥600 ※未就学児無料、学生は要学生証呈示
販売:ホテル雅叙園東京 / 公式オンラインチケット(一般入場券、オンライン限定入場券)
主催:ホテル雅叙園東京
お問合せ:03-5434-3140(イベント企画 10:00~18:00)
URL: https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/tour2023
※文化財保全工事のためエレベーター運行を休止し、すべて階段でご移動いただきます
※「漁樵の間」は美術品の保全作業のため、ご入室いただけません(廊下からの見学となります)
NUNO創設40年 国内美術館初の個展「須藤玲子:NUNOの布づくり」
1983年に誕生したNUNOは、今年で創設40年を迎えます。この節目の年に国内では初となる、テキスタイルデザイナー須藤玲子と須藤が率いるNUNOのこれまでの活動を包括的に紹介する展覧会『須藤玲子:NUNOの布づくり』が、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて2023年10月8日(日)より12月10日(日)まで開催されます。
思いがけない素材を使用したり、伝統的な職人技と最新の工業技術を組み合わせたり、いち早くサスティナビリティに取り組むなど、従来の概念にとらわれないアイデアあふれる須藤とNUNOのデザインは、身近な「布」に新たな視点を次々に提示し、現代のテキスタイルデザインをリードし続けています。
本展は、2019 年に香港のミュージアム、CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)で企画、開催されたもので、コロナ禍のヨーロッパを巡回後、待望の日本開催となります。日本各地の職人、工場との協働作業や、素材の可能性を広げる取り組みに注目し、普段は見ることのできないテキスタイルの制作過程を、音と映像を交えたインスタレーションで展観します。
創作の現場に触れることで、生活必需品としてのテキスタイルをあらためて見返し、観る人の暮らしに新たな美を加える機会となれば幸いです。
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
所在地:香川県丸亀市浜町80-1
会期:2023年10月8日(日) ~12月10日(日)
開館時間:10:00~18:00 (入館は17:30まで)
休館日:月曜日(ただし10月9日は開館)、10月10日(火)
観覧料:一般950円(760 円)、大学生650円(520円)、高校生以下または18歳未満・丸亀市在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方と、その介護者1名は無料
※同時開催常設展「猪熊弦一郎 生活に美を」観覧料を含む
※( )内は前売り及び20名以上の団体料金
※11月23日(木・祝)は開館記念日のため観覧無料
問合せ先:0877-24-7755
美術館WEBサイト: https://www.mimoca.org
主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
企画:高橋瑞木(CHAT 館長兼チーフキュレーター)
担当キュレーター:古野華奈子
会場構成:たしろまさふみ
アーティスティックディレクション:齋藤精一 (パノラマティクス主宰)
協力:CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong, Japan House London