株式会社ワールドが、今回で34回目となる「こども参観日」を2023年8月2日(水)にワールド北青山ビル、4日(金)に神戸本社にて開催された。社員の子どもたちが親の職場を訪れるこのイベントは、1991年に社内報を通じて社員からの提案があり、同年の冬休みから実施。2014年から昨年までは会社の都合やコロナ禍のため開催を見送ってきたが、これまで730家族、997名の子どもたちが参加してきた。
今年9年ぶりに開催された「ワールドこども参観日」に、子どもたちと一緒に社内見学してきた。
今回で34回目の「ワールドこども参観日」。ワールド北青山ビルと神戸のワールド本社ビルで行われ、計80人の子どもたちが参加した。朝9時にワールド北青山ビルに勤務している親と一緒に子どもたちも出社し、受付を済ませると自分の名前が印刷された名刺が渡される。さっそく親と名刺交換したという子どももいたようだ。

全員揃ったら、まずは会社説明。MCが「ワールドはどんな会社か知ってる?」とたずねると「洋服を作ってる会社!」と元気な声が。スライドを見ながら、ワールドにはどんな仕事(職種)あり、どのくらいの規模の会社なのかを説明した。


その後、3班に分かれて、社内見学へ。プレスルーム、CAD室、ECサイト用の商品撮影をするスタジオを見学した。特に子どもたちが興味津々になっていたのは、動く裁断機が見られるCAD室。デザイナーから上がってきたデザイン画を元に服を形にするのは、服づくりの根幹であり、よく分からない秘密がいっぱいある感じが子どもたちにも面白く感じられたかもしれない。
裁断機でカットされた小さなTシャツやスカート型の生地を「一枚だけね!」といわれながらも、何枚も持っていきたくなる気持ちに少し共感した。


社内見学の後はワールドSDGs推進室主催のワークショップ。
このワークショップはこども参観日だけでなく、商業施設などでも行っており、子どもから大人まで取り組めるの内容を展開している。同社では“在庫をできるだけ残さず、捨てない”というスタンスのもと、様々な方法で洋服はもちろん、服を作るために必要なものなども含め、使い切るための一つの道筋としてワークショップも行っている。社内で余った生地スワッチ用の台紙や販促用に作られたクリアフォルダやエコバッグ、工場から出てきたハギレや残布、廃棄処分寸前の洋服など、使えるものはほぼ全てワークショップの材料として再利用している。
ワークショップが終わるころ、仕事をしていた親たちが子どもを迎えに来て、親が働いているデスクを訪問。親と一緒にお昼ご飯を食べて、最後にワールド鈴木信輝社長が子どもたちに「会社の中にはいろんな仕事があることを知ってもらえたと思います。今日のことを家族とお話ししてもらえると嬉しいです」と挨拶した。

ショップで働く販売員の場合、子どもが店舗に立ち寄ることもあるかと思うが、内勤は働いている姿を子どもに見せる機会はあまりない。このイベントが親にとっても、子どもにとってもいい経験になったと思う。また少しでもファッションのこと、働くこと、物を大切にすることに興味を持ってくれることを願う。